PRP療法とは? 外傷や美容目的の医療技術がハゲ・薄毛対策にも効果的?

PRP療法と言う再生医療を用いた技術があります。

この医療技術が近年では「髪の毛に対しても効果的ではないのか?」ということで業界では期待されております。

 

今回の記事では、このPRP療法というものがどういう技術で、またどのように業界で期待されているのかを、確認していこうと思います。


PRP療法とは?

PRP療法とは由来となっているPlatelet Rich Plasma(多血小板血漿)という言葉が意味するように、血中の血小板をふんだんに用いた療法になります。

再生医療の一種として位置づけられており、自身の血中から抽出した血小板を濃縮させて、必要としているところに注入して細胞の分裂・増幅を促します。

以前お話をしたHARG療法と似ておりますが、あちらはタンパク質中の成長因子を用いるのに対し、PRP療法では血小板中の成長因子を使って治療を行います。

使用される促進物質が違っているんだという認識さえしていただければ十分かと思います。

 

※ちなみに血液中から血小板のみを抽出するには、特殊な精製キットを用います。

このキットを使うことで、血液が主に赤血球血小板血小板の少ない血漿の3つに分離されます。

牛乳なんかもホエイとタンパクに分離することができると思いますが、あんな感じでしょうか。

とにかくこのように3つに分離されたのであれば、あとは血小板だけを抽出すればPRP(多血小板血漿)の完成です。

こうしてできあがったPRPは通常の血液と比べて、血小板の濃度が3~7倍にまで濃縮されているとのことです。

 

血小板の持っている最も有名な効果は、(僕は小学校の理科の教科書なんかで目にした記憶があるのですが)流血した際の血を固める止血効果だと思います。

しかし、この止血効果以外にも血小板には実にさまざまな効果があります

その効果の一つを応用したものが、今回のPRP療法です。

 

血小板には様々な成長因子も豊富に含まれており、これがあるおかげて傷口の細胞修復がスムーズに行われるようになります。

本来であれば損傷組織の修復において役にたつ血小板の成長因子ですが、医学の進歩によって損傷組織以外の箇所にも応用することができるようになりました。

例えばスポーツ選手のケガを例にしてみますと、スポーツ選手はその仕事柄、肘や膝、肩周りなどを酷使して痛めてしまうケースが多く、一昔前でしたら痛み止めの効果のある薬を飲んだり塗ったりして痛みを感じないようにしつつ自然治癒に期待することしか治療ともいえるような方法がありませんでした。

そこに登場したPRP療法により、これらの可動性のある個所であっても無理なく組織の修復を促進させることができるようになり、今では立派な治療方法として確立されました。

現在では一流のスポーツ選手などが関節を痛めてしまった場合は、ほぼ必ずと言っていいほど治療方法の選択肢の一つに入ってきます。

 

またPRP療法の再生力がある程度認められるようになってからは、美容の分野においても応用されるようになりました。

損傷細胞の修復が促進されるということは、老化して錆びたり焦げてしまった細胞も修復の対象になり、増殖されることを意味しております。

老化によってたるんでしまったり、弾力を失ってしまった肌に血小板由来の成長因子を注入することによって、滞り気味になっていた細胞の分裂活動も再び活発になり、結果として若さを取り戻すことができるというわけです。

注入する箇所によっては顔色や唇の血色もよくすることができるため、今後とも美容分野でも重宝される技術として確定することになった印象です。

美容を目的にということで、この場合は女性の施術客が増えてくることが予想される関係上、いかにして安全に注入できるか、また女性に安心して施術を受けてもらえるか、といったところからさらに技術が発展していく可能性があります。

 

このほかでは、骨の再生皮膚潰瘍の治療歯科のインプラントの馴染ませなど、さまざまな分野でPRP治療が活用されています。

今後研究がさらに進められて、何らかの形で発展していく療法でもあると言われておりますね。

 


PRP療法は国に認められた医療機関でしか施術を行えない

PRP療法は厚生労働省からの認可を受けているクリニックや医院でしか施術を行うことができない治療法になっております。

この点もHARG療法と似ておりますね。

厚生省のお墨付きを受けているクリニック等であれば、事前カウンセリングなどの対応もしっかりとおこなってくれる所がわりと多いと思います。

なのでもしもあなたがPRP療法に興味があり、その施術を検討しているのであれば事前にクリニックにカウンセリングに行って納得の行くまで相談・確認してみることをオススメいたします。

 


どのようなハゲ方にも効果がある

ハゲや薄毛への対策としてPRP療法を利用するのであれば、どのようなハゲ方であったとしてもある程度の効果は期待できると考えてしまっていいと思います。

自分自身の血小板の成長因子を使った再生医療である以上、異物反応やアレルギー反応を示す可能性は極端に低いと言われております。

 

ハゲや薄毛の改善を目的とする場合は、とにもかくにも髪の毛を生成する細胞(毛母細胞)を活動的にさせる必要があるため、問題を起こしている毛母細胞の近辺に上手いことPRPを注入していきます。

理屈上ではPRPを注入された毛母細胞は、分裂と増殖が活発になるため髪の毛の生成スピードが上がっていくことになります。

もしもAGAを発症しており、髪の毛の寿命が全体的に短くなっている状況に置かれている場合であっても、ジヒドロテストステロンによって脱毛が促進される以上の効力で髪の毛が生成されていくことが期待できます。

ただこのあたりは、自身の血小板と、それからPRPを生成するクリニックの先生によって若干差が生じてきてしまう部分でもあったりすることを、念のために注意書きとして記載させていただきます。

もしも不安であれば、この部分においても事前のカウンセリング等で先生とよく相談ですね。

 


HARGとの併用もできる

クリニックによっては、HARG治療とPRP治療を併用して、相乗効果を狙う施術を行うことができる先生がいらっしゃる場合もあります。

HARG治療とPRP治療は、使う薬剤は違いますが再生医療という点では同じですし、髪の毛に関して言えば目的とする効果も共通しています。

この技術は双方の治療方法について国から認可を得ていることはもちろん、現場経験を重ねて経験豊富な先生ではないと行うことができない技になってくるので、自然と先生の数も少なくなってしまいます。

また、複数の最新技術を併用する関係もあって、治療コストもかなりの高額になります。

個人的には正直「高額な料金を払ってまで、片方で十分な技術を併用する価値はあるのかなぁ・・・」なんて思ったりもしてしまうのですが・・・。

そこは人それぞれでしょうかね。